蜂の子って何?

古くから滋養強壮食品とされていた「蜂の子」の歴史

現在、難聴や耳鳴りなどの改善によいと言われ注目されている蜂の子ですが、蜂の子が食べられるようになった歴史は、はるか昔です。
2000年以上も前から中国、ルーマニア、タイ、メキシコなどを含む世界各地で、滋養強壮食品として重宝されていました。また、最も古いものとして、150万年前の東アフリカで食べられていたという記録が残っています。

蜂の子が滋養強壮食品とされる理由

体に必要な栄養素を補い、体の機能を強化する「滋養強壮」ですが、蜂の子が滋養強壮に優れている理由として、まず良質なタンパク質を豊富に含んでいる点が挙げられます。
タンパク質は、人が健康でいるために非常に大きな役割を持った成分であり、主に下記の役割を果たしています。

  • 臓器や筋肉、皮膚や骨、毛髪、爪など体の材料となる
  • 神経伝達物質を構成する
  • 免疫グロブリンの原料となり、免疫機能を高める
  • ヘモグロビンの原料となり、酵素を構成する

つまり、タンパク質が不足してしまうと、筋肉量の減少や肌荒れ、貧血や免疫力の低下を引き起こす原因となります。
タンパク質は20種類ものアミノ酸が鎖状でつながって出来ていますが、その中の9種類は体内で作り出す事が出来ないため、食物から摂る必要があります。
そこで注目されたのが「蜂の子」です。
蜂の子に含まれるたんぱく質が良質だと言われる理由は、多くのアミノ酸を含んでいるからです。上記で挙げた、体内ではつくる事が出来ない9種類の必須アミノ酸を含め、18種類のアミノ酸を含んでいます。
アミノ酸は20種類ありますが、全て揃ってタンパク質を合成するので、18種類を含む蜂の子はタンパク質が合成されやすい食品といえるでしょう。
また、タンパク質以外にも、ビタミン、ミネラル、脂肪酸など、健康な体を保つ上で大切な栄養素がたくさん含まれているため、蜂の子は滋養強壮に良い食品とされていました。

蜂の子が食べられるようになった背景

人の体にとって、タンパク質が重要な成分である事が分かりましたが、タンパク質は普段の食事で摂る事が出来るため、普段通り生活をしていれば著しく不足するという事はありません。
ですが、タイやルーマニアなど、食料不足に悩まされていた歴史がある国は、タンパク質不足が大きな問題となり、多くのタンパク質を含んでいる食材が必要でした。
そこで食べられるようになったのが「蜂の子」です。
蜂の子は家畜などに比べ生産コストも安く、狭い生産スペースで大量生産する事が出来るため、効率よいタンパク源として重宝されました。
そのため、それらの国では昔から蜂の子を食べる文化があり、その名残から現在も一般的な食材として食べられています。
一方、昆虫食の文化がない日本にとって「蜂の子」は、太平洋戦争の食糧不足を救った食材です。
戦争の際には日本も食糧難に悩まされており、蜂の子が貴重なタンパク源とされていました。魚などが摂れない山間部の人たちにとっては特に重宝されており、その事から長野県や岐阜県などでは郷土料理として今も食べられています。
以上の事から、蜂の子が昔から人の健康を支えていた食品という事が分かります。

中国で生薬とされた蜂の子

世界各地で昔から食べられてきた蜂の子ですが、中国でも長い歴史があり、生薬として用いられていました。約2000年前に書かれた中国最古の薬学書「神農本草経」には、蜂の子についての記載も残っています。
「神農本草経」では、様々な生薬を効能と安全性別にランク分けしていますが、蜂の子は最上ランクに位置付けられています。最上ランクは、不老長寿の作用があるものが選ばれ、具体的には「衰弱している人や内臓の機能に障害を受けている人の元気を補う」「年齢を重ねても老衰しなくなる」などと書かれています。
その他にも、約400年前に書かれた「本草綱目」にも蜂の子について記述があります。心腹痛、黄疸、皮膚の感染症、風疹、便秘、梅毒、婦人科の症状によいと書いてあり、蜂の子が多くの観点から体によい食べ物だと認識されていた事が分かります。

まとめ

現在蜂の子は、海外では一般食として、日本では郷土料理、また高級珍味として食べられています。
ですが、食糧飢饉で食べ物が少ない時代には、体を健康に保つための貴重なタンパク源でした。蜂の子は栄養価が高く、また副作用等もないため、体の弱い方や高齢者の方にも適した滋養強壮食品です。
昔はタンパク源や生薬とされていた蜂の子ですが、今もなお好んで食べられているのは、蜂の子の滋養強壮効果を実感している人が多いからでしょう。

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